第11章 消えていきそうだ
気づいてくれたのかな
そう考えると、やっぱり彼には才能があったんだってことを実感した。
『・・・どんなことだと思った?』
【黒子】
「・・・僕にできること イコール、パスだっていうのをずっと考えていました。
でも、はちさんは『可能性』って言っていたことを思い出して・・・
じゃあきっと、パスだけじゃない。
僕にできること・・・僕がするべき役割は、そのパスのために日頃の自分がしていることをコントロールできればいいって分かったんです」
ずらーっと一気に喋って、息が上がっている黒子くん。
大丈夫?と声をかけたけど、全然大丈夫ですと言われてしまった。
『黒子くんのその、日頃の自分がしていることって?』
【黒子】
「していることというか・・・なってしまっていることって言うべきなんでしょうか」
彼の日頃を思い出してみる。
読書、静か、品がある・・・
・・・どれもバスケに必要ないな
そこまで考えて、脳に電気が走ったような感覚になった。
【黒子】
「・・・はちさんも分かったんですね」
静かに微笑む彼に、驚愕と共に関心が溢れてくる。
そうだった、黒子くんの本当の役割は・・・
【黒子】
「・・・僕は影になる、と決めたんです」