第9章 あの人の大切な人
『・・・先輩。会わせてください。
あなたが何よりも守りたい人に』
熱中していたバスケを放り出してまで。
そんなに守りたかった人に、会いたい。
先輩の重荷を、とりたい。
【虹村】
「・・・・・・あーあー、わかったよ。
じゃあ、ついてこい」
ひとつ頷き、スタスタと歩く先輩についていく。
会いたいっていうのもあるけど、もうひとつ理由がある。
この眼。
あの日から琥珀になったりならなかったりを繰り返して、わかったことがある。
この眼、人の「寿命」を表すことができるんだ。
だから、80とか70とかが多かったんだ
試しに、不謹慎だがテレビに出てた亡くなった俳優さんを見てみた。
すると、メモリは「0」。
さらに、難病の子の3年間に密着した番組では、ちょうど亡くなる半年前に、0.5という数字が出ていた。
なるほど、って思った。
とっても不謹慎だし失礼だが。
ひとメモリ、1年と考えて読むらしい。
これなら簡単に計算ができる。
だってねぇ・・・1000日とか出されても分かんないし・・・
だから、虹村先輩のお父さんにこの眼を使ってみたい。
そうすれば、虹村先輩の今後が変わるかもしれない。
そう願いたいんだ。