第9章 あの人の大切な人
でもなぁ・・・、
虹村先輩のお父さんって、どこにいるんだろう?
絶対、先輩に訊いても答えてくれないよね
ネットで黒バスについて調べようと思ったが、この世界に『黒バス』っていうものはなくて。
代わりに、『キセキの世代』関連の記事はたくさんあった。
・・・当たり前、か。
これはもう・・・この辺りの病院をくまなく探すしかないな
時間も限られているんだから。
『虹村せんぱーい!』
【虹村】
「うおっ、なんだよ急に。大声出すんじゃねえ」
『そんなことより、今日の部活は休ませていただきます!
では!チャオ!』
【虹村】
「はっ!? また急な・・・っておい!
ほんとに行くのかよ!」
『はい!さつきちゃんとかにはもう言ってありますんでー!』
昼休み。先輩の学年に行って、簡潔に報告完了。
これで怪しまれないはずだ。
・・・この後日、虹村先輩に怪訝そうな顔をされることを、このときの私は知らなかった。