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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第42章 エピローグ


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「・・・悠真、もう泣くのやめたら?」

「泣いてねーよっ!」


虹村家。

リビングのソファの上で

あぐらをかいて下を俯く少年。


悠真は、なぜか泣いていた。


「・・・お姉ちゃんのこと、」

「だぁぁあ!言うなよ!?言うな!」

「好きだったんでしょ!」

「あー!なんで言うんだよ!」


言わなきゃ、無かったものに出来ると思ってたのに!

そう悶絶し、崩れ落ちる。

「もー、そういうとこ本当お兄ちゃんそっくり・・・」

「うるせーな!」

「・・・がんばったね」


その少年の隣に、小さな影がちょこんと座る。

そして、頭を優しく撫でた。


「・・・うん」

俺にしては、な。




ふたりの物語の横にあった、

もうひとつの物語である。






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「・・・っひく、はちっちーーー・・・」

「・・・もう、男泣きやめたら?きーちゃん」

「泣きたいときだってあるんスよ!男は!」


ぞろぞろと空港を出ていく影のひとつが、大声で泣きわめいている。


「届いたから、いいんじゃないか?」

「そ、そうッスけど!それでもっ、」

もっと、一緒にいたかった・・・。


そう思うと、また涙が出てくる。



「あーあー泣くなよ。
マジパ、奢ってやる」

「え、うそ!青峰っちが!?」

「ツケ払いな」

「がーーーん!」


肩に腕を回した青峰をぐいぐいと押す黄瀬。

そういうことなら要らない!というふうに。


「テツが奢ってくれるってよ」

「えー、まじでー?黒ちん~」

「いえ、無理です。お金ないです」

「ここは赤司と緑間の割り勘ってことで!」

「・・・そうだね、そうしようか。緑間」

「お、俺は許可した覚えなどないのだよ!」

「あははっ、みどりん変な顔になってるよ!」

「・・・桃井も払うのだよ」

「え、むりむりむり!」




彼らの物語は、終わっていない。

きっとどこかに、また繋がっている。

行き止まりの道などないのだから。

地球に行き止まりなど、ないから。


だから、またどこかで会おうね。


約束、しよう。








未来のわたしたちに向けて。
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