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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第41章 どうしようもなく好きだったから。




唐突に、元気な明るい声がした。

・・・なんか、笑えてきた。


『ぷ、ぷふっ・・・』

【虹村】
「なにお前笑ってんだよっ」

『いや・・・なんだか、』

【虹村】
「?」

『・・・やっぱわたし達には合わないのかもしれないね』

【虹村】
「あ?」

『こういう、雰囲気?的な?』



いきなり盛っても仕方ない。

ゆっくり、自分達のペースで。

それが、いちばんだよ。


【虹村】
「・・・おまえ、敬語」

『あ、すみません』

【虹村】
「・・・それでいい。」

『・・・え?』

【虹村】
「そのままでいいっつってんだよ!」

『え?あ、え、あ、はい!』



なんのことだかさっぱりだったけど

先輩の顔が真っ赤だからまぁいいや。

手を掲げて、微笑んでみた。


キラッと光る、それ。

『・・・へへっ』

【虹村】
「・・・気色悪ぃー」

『ひど!』


エンゲージリングが、

夕日に照らされている。





『・・・好きになってくれて、ありがと。
先輩。』




【虹村】
「・・・これからたくさんしごいてやるよ」

『あ、そういう感じ!?』

【虹村】
「他に何があんだよ」

『え、いや、こう・・・・・・

・・・先輩に訊いたわたしがバカでしたー!』

【虹村】
「やっと気づいたか」

『ちょ、いちいち余計!』



なんだか、プロポーズされた日みたいではないけど。

これはこれで、幸せかもしれない。


いや、・・・結構しあわせだ。



昔、お父さんが言ってくれた言葉。


『手と手のシワを合わせて
《しあわせ》なんだぞ』



こういうことなんだね。

大切な人と手を繋いで、

そうやって合わせた手と手のシワが

本当の幸せなんだ。









『・・・どうしようもなく大好きだよ』
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