第40章 終わりへの扉
────するとそこへ───、
【黄瀬】
「はちっちぃぃぃ!!!
と、キャプテン!」
【虹村】
「おいついでみたいに言うなよ。」
涼太がドタバタと入ってきた。
立て付けの悪いドアを勢いよく開けて
もうほとんど壊れかけてる。
『ど、どうしたの涼太!?
そんなに傷だらけ・・・』
涼太の後ろにいた人影を見つけて
絶句した。
キセキ・・・そしてさつきまでもが
傷だらけ&汗だくだったのだ。
もうこっちはどんな反応していいか分からない。
『ちょ、みんなして・・・
何してたの!?』
心配が爆発寸前のわたしを、
さつきが優しく宥める。
【桃井】
「あ、安心して!はちちゃん!」
『どこを見て安心しろと!?』
【緑間】
「落ち着くのだよ、はち。」
『あぅ・・・緑間まで傷だらけ・・・
眼鏡!大丈夫かよ!?』
緑間にまで宥められたが
そうそう落ち着くことはできないだろう
だけどまぁ、理由だけ落ち着いて聞こう
『・・・え、見つけた?』
なにを?
首をかしげるわたし&先輩に
涼太はふふんと胸を張って見せた。
【黄瀬】
「これッス!!!」
涼太の掌の上にあったのは───
『──あ・・・』
─────────結婚指輪だった。
はっとして顔をあげる。
眩しい笑顔で笑うみんな。
青峰まで傷だらけ───
ムッくんも黒子くんも───
さつきも
綺麗な手を怪我してしまっている。
『う、そでしょ・・・?』
訳もなく、涙が溢れだす。
ありがとう って言わなきゃいけないのに
言葉が詰まって出てこない。
ごめんねみんな、
喉まで出かかってるの。
なのに、
なのに────
言葉が、そこから出てくれない──。
『うっ、・・・ひっく・・・うわぁ・・・』
涙でぐちゃぐちゃの顔だけど
言わなきゃ、
言わなきゃ。
ありがとう
って。