第36章 身近なモノ
青峰と別れて、暇な昼休みをどこで過ごそうか悩んでみる。
また屋上に行って眠るのもいいかもしれない。
・・・いや、それだとまたサボりになる可能性がひじょーに高い。
『どーしたものか・・・』
────────────────
──────────
・・・で、結局ここにきてしまう。
『体育館・・・はは・・・』
無人な体育館に、ポツンとひとつ、バスケットボールが置かれている。
周りを見渡してみると、ボールカゴもあった。
誰か来てるのかな?
『・・・んー・・・?』
用具室から音がする。
見てみるのはちょっと勇気がなかったからと、首を巡らしてみる。
『・・・! ぎゃっ!』
誰かいる! ってかなんかしてる!
「!? 誰なのだよ!」
・・・あ、みどりんね。
『なーんだ真ちゃんかー』
【緑間】
「む。その声は、はちだな。
なんだ、何か用か。今は忙しいのだよ」
『別になにもないけど・・・っていうか、なんで忙しいの?』
さっき青峰が言ってた「昼休みにやる何か」に関係してるのかな?
【緑間】
「・・・今日は、昼休みにここでクイズ研究会のイベントがあったのだよ。」
呆れた声で呟くように告げられる。
なるほど、クイズ研究会か。
『・・・あ、それって学園祭の時もやってた・・・』
確か、番外編のやつとかでやってたような・・・
【緑間】
「・・・なんでお前がそれを知っているのだよ。」
『・・・!!』
し・・・しまったぁぁぁあ・・・!
めっちゃ怪訝そうな顔で見られてんだけど!
『あれだよほらほら!さささっさつきに、きいた!
そう、聞いたの!!』
噛みまくりじゃんかわたしのアホー!
あー絶対悪化してるよね、信じてもらえてないよね・・・
【緑間】
「なるほど。そういうことか」
・・・信じてる、信じてるよこの子。
あーそっか!真ちゃんて、ピュアか!
そうそう!
と肯定しながら、心の中ではめちゃくちゃ安心していた。
笑顔の裏の苦労ってやつだな・・・
・・・ともあれ、バレなくてセーフ?かな?
「・・・そんな嘘で騙されるような俺ではないのだよ。」
そう呟いていたことを、わたしは知らない。