第36章 身近なモノ
────はと?
クルックー・・・って、聞こえるんだけど・・・
幻聴ですよね、幻聴だと誰か言ってください。
だが、この目を開かなければ何も始まらない。
うっすらー・・・と目を開けると・・・
「クルックー」
・・・・・・はと!!
めっちゃ目の前に鳩いるんだけど!
しかも足に何かついてるから飼われてる鳩だし!
首をかしげながらガン見される
いやこっちが首をかしげたいよ。
はとよ・・・今あなたに構っている暇はないんだ・・・餌が欲しいならお家へお帰り・・・
鳩に背を向け寝返りをうつと・・・
・・・あおみね!!?
なななんで青峰がここに!?
つか寝てるし!
あ、おサボり?
わたしもおサボり。
・・・っていうか・・・
・・・気持ちよさそーに寝るよねこの人。
くがーー・・・ってね。
こっちまで眠くなる・・・。
青峰の寝顔を見ていたら、また眠くなってきてしまった・・・
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──────────
・・・あ、頭が重い・・・。
撫でられてる、って感じだ・・・
大きくて、あったかい手。
なんか安心する。
そういえば、お父さんはいつも日に焼けてた。
青峰で思い出したけど。
いや、青峰ほどじゃないけどね。
そこそこ日に焼けてたんだ。
その手からはいつもレモンの香りがしてた。
レモン育ててたからね。
お父さんが作るレモンはいつも甘酸っぱかった。
酸っぱくないんだ、甘かった。
今思えば、お母さんの大好物はレモンだったらしいから────
────お父さんは、レモンをつくってたのかな
まぁそのせいでわたしもレモン好きになったんだけどね
・・・この手からは・・・
『・・・レモン、だ・・・っ』
「・・・レモンじゃねぇよ」