第31章 黒の憂鬱
『───ありがとう』
「───はちさんを助けたいだけですから」
そういって微笑む黒子くん
30巻の表紙の黒子くんみたい
『信じてくれてありがと』
「───もちろんです」
そっか、うん
信じてくれてるんだね
ありがとう、それしか言えない
夕暮れの中に吸い込まれそうな涙を、袖でぐいっと拭いとって
わたしも、黒子くんのような笑顔になれるように
精一杯の笑顔で笑ってみせた
『てゆーかさ、その仕事押し付けてきたクラスメイト誰よ?』
「・・・巻藤くんです」
『・・・こんど体育館裏連れてきて
それか一軍に』
「・・・どちらにしても地獄沼コースですね」