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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第27章 黄の心





容姿端麗


十全十美





昔から、顔もよくて何でもこなせる人生だった。



来るもの拒まず、去るもの追わず




そんな人生が一番楽チンだってことも知った。



モデルとしての肩書きしか見ていない女子たちを嘲笑いながらも呆れてきた日々で、熱中できるものを、俺は探していたんだろうか





いや、きっと探してなんかいなかった。





『現状維持』が最善だと決めつけ、それ以上でも以下でもない。



周りには誰かしら居て、独りなんてことはなかった。






───そんな毎日を、どこか虚しく感じたり感じなかったり・・・

していた、ある日。








「サインはいいけど写真はNGッスよ~」





帝光中学男子バスケットボール部。




いつものように女子に囲まれていた俺の真横を、そう書かれているジャージを着た女生徒が通った。





その子は俺に見向きもしない。

むしろ、少し鬱陶しそうな顔をされた。




いや、こんなこと前にもあった。

俺に見向きもしない女子だってそりゃいる。

何も驚くことじゃない。





でも、その時の目は・・・───



───俺ではなく、囲んでいる女子に向けられていた。








俺に見向きもしない女子は大抵、俺に鋭い視線を向けてきていた。



それにも笑って受け流すけど、いつしかそれも好きなんだと思い込むようになってしまった。



だって、そうでしょ?



みんな、俺が笑えば笑顔になる。

なにか言えば、真っ赤になる。





そんなもんじゃん?








なのに───


その目は、一瞬たりとも俺を映してはくれなかった。






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