第25章 赤の心 part 2
『・・・そんなに引かないでよ』
「いや引いてないよ。少しビックリしただけだ」
『・・・それならいいけど。
・・・なんかこの眼ね、これから起こる未来を映し出してくれるの。
だから、お父さんと話ができるって分かった。
未来見たら、お父さん帰ってきてたから。仕事早く終わったのかな?』
にわかには信じがたい話だ。
だが、俺は彼女の言っていることを嘘だと言えない。
この子になら、あり得る話だと思えたからだ。
すごいな、はちは。
いろいろな人の心を変えた。
───だが、俺の人格変異の原因はストレスか──
確かに、少し違和感はあった。
家での俺と、学校での俺が違う。
それが成長していくと人格変異してしまうのか
「・・・いこうか。父さんにも言いたいことが山ほどある」
『・・・目の色が変わったね。
覚悟決めた?』
嬉しそうにも、少し不安そうにもしているはちに微笑みかける。
「───ああ。ひとりじゃないからな。
なにも、怖くないよ」