第25章 赤の心 part 2
はちが戻ってきてから、数週間が経った。
夏休みでも部活は変わらず休みはほとんどない。
だが、ひとつ───
『・・・あれ?青峰は?』
【桃井】
「んー、なんだろ?
まさか・・・またサボり!?」
──そう。
青峰が部活をサボりがちになってしまった。
俺もこれは何とかしないとと思い、虹村さんとも色々討論してきた。
だが、もう遅かったのかもしれない。
──その日から青峰は、本格的にサボり魔になってしまったのだ。
『・・・青峰、今日も部活休みかー』
「・・・モチベーションも下がってきているようだしね」
青峰のボールを磨きながら、はちは呟く。
その目は、悲しそうにも見えたし、どこか諦めているようにも思えた。
『・・・ねぇ、赤司くん』
「なんだ?」
『・・・もし、青峰が変わっても、みんながバラバラになっても、赤司くんだけは──
──赤司くんだけは、変わらないでいて』
最後にお願い、とつけ加えて、はちは俯く。
俺にはさっぱり分からないが、はちは絶対に何かを知っている。
そう思えてならなかった。
『・・・私がなんとかしなくちゃいけない』
「・・・はち・・・?」
その時のはちの目は、どこか違和感があった。