第1章 強烈的な序章
───ガタンッ
何かの振動が脳を揺さぶって、私を現実へと引き戻す。
(・・・えっ・・・)
見たこともない薄暗い場所。
周りにはいくつかの段ボールがあるっぽいな
(・・・ここ、どこ・・・?)
手は縛られてるけど、足は自由だ。
でも、口にはガムテープ。
こんな状態でも、なぜか私は冷静だった。
とりあえず目を慣らして、周りを確認する。
ここ・・・もしかしなくてもトランクの中かな
どうりで狭いと思った。
さらに、さっきから伝わってくる振動から、車が動いていることも分かる。
・・・・・・誘拐、の可能性が高いかもしれない。
いや、多分そうなのだろう。
さっきから嫌な予感しかしないし、冷や汗ばっかりだ。
しかもトランクの中って・・・定番っぽい。