第4章 番外編①
柚子side
「肉~焼けたわよ!」
「俺食う!」
「ちょっと新!ひとりで食うな!」
『また、あのカップルはいちゃついてますよ。柚子さん…』
「本当に、私たちへの嫌みかしらあいりさん…」
今日は浜辺でバーベキュー
あいりが明日の朝には元住んでいた街に帰る
そこで浜辺で遊ぶことにした
(言い出したのは莉乃…)
「野菜食べますか?柚子さん?」
野菜を持ってきたのは新と仲の良い後輩(舎弟)
「…いただくわ。人参は抜いて…」
「人参嫌いなんですか?」
「…別に…」
「柚子さんは人参苦手なんですね?じゃあ人参だけ俺が代わりに食べるっす』
「…とか言って玉ねぎを代わりに乗せるのやめなさい」
「ククっ…交換っす!」
数ヶ月で変わったのはみんなと距離が縮まったこと…新の舎弟たちとこうして話すようにもなった
「誰だ?焼そばにチョコレート入れた奴!?」
「それはエビじゃねぇ!ザリガニだ!」
「キープしていた俺の肉が野菜になっている!どんな魔法を使ったんだ!?」
「や…やめろ!それはフグだっ!かぶりつくな!!」
バーベキューは盛り上がった
多少の問題はあったけどあいりが楽しそうにはしゃいでいてなにより
『花火~!』
「手持ち花火久しぶり~」
「莉乃ー!それはロケット花火だ!こっちに向け~ギャー!!!」
『…新大丈夫?』
「…てへ?」
その後雪合戦ならぬロケット合戦…
悲鳴が飛び交っていて見てるほうとしては面白い…
『短い間だったけど楽しかった~!』
「こちらこそ楽しかった…」
「お前と出会えて良かった!」
あいりは莉乃と新と一緒になって泣いていた
「また、遊びにおいで」
『うんっ!』
私はあいりと抱き合った
長いようで短い3ヶ月はあっという間に過ぎあいりは帰っていった
その後“X”と“松永あいり“の噂が流れてくることをこのときの私はまだ何も知らなかった…