第16章 温厚な人ほど怒ると怖い
仁が立っている‥
婚約‥する‥の?
俺を信じろって言ったよね?
気付かないうちに流れ出した涙
「あいり!まだ龍さん何も言ってないでしょ!」
私の涙にギョッとした表情の夏海
『‥でも‥橘さん婚約っていっ‥たよ…ね?…』
「うん。でも発表してるの龍さんだよ?あんたを悲しませるような発表するわけないわよ?」
『‥なんでグスッン‥そこで‥龍ちゃ‥ん?』
「だってあの人は「松永さんですよね?ステージで龍様がお呼びです」」
黒の燕尾服姿の男性に声をかけられた
『‥‥』
ステージまで約20メートル
龍ちゃんを見る
龍ちゃんはこっちを見て頷き微笑んだ
何かあるの?
疑問を抱えながらも燕尾服の男性の後に従った