第13章 壊れた歯車
「あいりをよろしく頼むぞ宮田君。
あいり…分かっとるな?」
「お任せください」
祖父はそう言って上機嫌で部屋を出ていった
「……」
高級日本料理店を貸し切ってのお見合い
私は紫色の着物を着ていて相手はスーツ
目の前に座る胡散臭い笑みをした男“宮田 真人“
宮田組の長男で年齢は私よりも4つ上…
黒髪に眼鏡をしていて、見た目だけでは裏の人間だとは思えない。仁ほどではないが綺麗な顔立ちをしている
「あいりさん」
「はい…」
「僕と結婚してください」
目が笑っていない笑みを向けられた
「…すみません、宮田さんのことまだよく知らないのでいきなり結婚はできません。」
「そうですか…それは困りましたね」
何かを考えている表情の彼…
「失礼します…宮田さんの連れだという方が来ているのですが…」
「入れてください」
女将さんの言葉にすぐ入れろと言った彼になぜか違和感を感じる…私を見る目がさっきの胡散臭い笑みから、何かを期待しているような笑みに変わったのは気のせいか…
「失礼します…」
少しして扉が開いた…