第1章 どうしてこうなった!?
『帰ります!』
「だーめ、ちょっとでいいから付き合ってね」
『だってここには…』
着いた先は“Xの城”と呼ばれる白いマンション
見た目はいたって普通のマンション
強いて言うなら少しだけ縦に大きい
しかし内装は外見からは予想できないほどに
どこの一流ホテルだってくらい豪華できれいなところだ
「うちの“王さま”が会いたがってる」
この“城“は“王さま”の住処で“逃げ出した私”にはもう何にも関係のない場所のはずだ
『…無理です。私は…』
嫌な記憶が脳裏を横切る
また鬼ごっこは勘弁だ
「まぁ立ち話もなんだし早く入ろう」
和馬の陽気な声とは裏腹に私の心は沈んでいく
『帰りたい‥』