第10章 立ち止まってもいいですか?
“お前に覚悟ができるまで俺は待つ…返事は急がなくていい”
仁にいた婚約者…そして家…
どう見ても私とは育ちが違いすぎる橘さん
『…はぁ』
「どうしたあいり…そんな顔をして」
『たっちゃん…桜宮って知ってる?』
夕飯を食べに遊びに来ていたたっちゃん
「ああ、俺がお世話になった恩人のひとの会社でもあるしな…それがどうかしたか?」
『…んん、なんでもない。』
「……。あいり…俺は心配なんだ」
そういえば“心配だ”ってドンキーも言ってた
顔は全く似ていないのに何故かその表情が被って見える。
『フフッ…』
「笑うな…」
『とりあえず明日学校休んで“あの人“に会ってくるね』
「…分かったよ。どうせ止めても聞かねぇだろお前の母親と同様にな?」
『分かってるじゃん…フフッ』
「早く食え…鍋が冷めちまう」
『…はいはい』