第95章 明けない闇、新たな光(1)
夜…何時もなら潤が顔を出してくる時間なんだけど、今日はちょっと遅いな…
あの日以来、潤が必ず側にいて俺が寝付くまで居てくれていた…
翔「…潤も忙しいからな…もう寝たかもな…」
ちょっと気になったから潤の部屋に行ってみたけど留守だった
…もしかして…って思って和也の部屋に行ってみたら
和「あっ…ああっ…」
…やっぱり…そういう事だったんだ…
今まで俺のせいで2人に我慢させてたんだろうな…
悪いことしたな…
俺は気付かれないようにそっと自分の部屋に戻った
でも…潤がいないときっとまたあの夢を見る…
また言い様のない恐怖が…
俺はベットの上で身体を丸くして座っていた
すると
<カチャ…>
翔「!潤!?」
ドアが突然開いたから、潤が来たのかと思い入り口を見るとそこにいたのは潤ではなく
雅「あ、ごめん!翔ちゃんまだ起きてたんだ」
翔「雅紀…」
何故か雅紀が立っていた
雅「どうしたの?眠れない?」
翔「そ、そんな事ないよ!今から寝ようと思って…雅紀は何か用事?」
雅「あ…えっと…隣が気になって眠れなくて…で、潤がいないから翔ちゃん大丈夫かな…って思って…」
あ…そっか…雅紀の部屋和也の隣だった…気の毒に…
翔「気にかけてくれてありがとう雅紀…実はちょっと不安だったんだ…雅紀が来てくれて嬉しい…」
すると雅紀は顔を赤くして照れていた…何か可愛いな…
雅「あの…翔ちゃん。俺で良かったら一緒に寝ようか?」
翔「え?」
雅紀が一緒に…?
雅「あ、あの!へ、変なことはしないから!ただ寝るだけ!ホントに!」
翔「ぷっ…何だよ変なことって!可笑しな奴だな…でも良いのか?」
雅「も、もちろん!俺で良かったら側にいるから」
そう言って雅紀はベットに入ってそっと抱き締めてくれた
雅「おやすみ翔ちゃん…」
翔「…おやすみ…」
…不思議だな…雅紀だと全く恐怖がない…それどころか凄く安心する…
そういえば初めてここに来た日、雅紀に抱き付かれたけど怖くなかった…
…ずっと雅紀の側にいたいな…