第71章 忘れられぬ想い（２）

～翔side～

葛「翔に俺の恋人のふりをしてもらいたい」

翔「…え？」

雅「・・・」

事務所にあがり、葛城さんから今回の依頼を聞いていた

智「…何故恋人のふりを？」

葛「ここ数日、誰かに見られてる気がしてたんだが、どうやらストーカーのようなんだ」

翔「ストーカー！？」

智「警察には届けましたか？」

葛「警察は被害がないと動かないから、まだ行ってない」

翔「間違いなくストーカーなんですか？」

葛「…これを見てくれ」

そう言って葛城さんは、何枚かの写真と手紙を出してきた

智「…手紙にはその日に葛城さんがとった行動等が書いてるな…」

翔「写真の方は見た限り全部隠し撮りみたいだ…視線があってない…」

葛「これがほば毎日、一日に４～５回郵便受けに入ってるんだ」

翔「そんなに！？」

ハ「うわー…気持ち悪いー」

確かに気味が悪いな…

智「事情はわかりました。でも、何故翔くんに？普通なら女性に頼みますよね？」

葛「俺が同性愛者だとわかれば、向こうも諦めるだろうと思ったんだ」

翔「え？」

葛城さんが同性愛者？

葛「…昔から異性に全くと言って良いほど興味がなかったんだ…この事に気付いたのは高校の時だったな…」

翔「あ…すみません…」

葛「いや…当然の反応だよ」

思わず驚いてしまったけど、葛城さんに申し訳なかったな…

智「相手は翔くんでないとダメなんですか？」

葛「出来れば。あの男娼館で会って以来、俺は翔の事を想ってきた…好きな相手の方が自然と接する事が出来て怪しまれないから」

翔「葛城さ…」

雅「俺は認められません」

翔「雅紀」

今まで黙っていた雅紀が突然口を開いた