第61章 家族になろう(7)
ハル「嫌々来たのか、怪しいってことだよ。案外身体を売る仕事が好きだったのかも…」
〈パーーーン!〉
その時、廊下で叩く音が響いた
潤がハルくんを叩いていた
ハル「な、何するんだ!」
潤「翔兄さんを侮辱するな!!」
ハル「はっ!ブラコンかよ。折角のイケメンが台無しだね」
潤「ブラコン結構だよ。今の俺があるのは、翔兄さんのおかげなんだから」
ハル「何それ、大袈裟な」
潤「…俺の両親は、俺が中学の時事故で亡くなったんだ…」
ハル「…え?」
ハルくんは潤の話を聞いて少し驚いているようだった
潤「その時翔兄さんは高校2年だった…大学進学を希望していたけど、俺を養う為に進学を諦めたんだ」
ハル「・・・」
翔「親の遺産もあったけど、兄さんは『将来の潤の学費に残そう』って言って、兄さんバイトをして生活費にあててたんだ…俺もって思ってたのに、兄さんは『潤は自分の事してれば良いから』って…高校卒業後も、俺の為に毎日働いて…だから、今の俺があるのは翔兄さんのおかげなんだ」
雅「潤…」
翔ちゃん…本当に潤の事が大事だったんだ…
その時潤はハルくんに近づいて、そっと頬に手を当てた
潤「…ごめん…叩いたりして…でも、翔兄さんは決して、好きで身体を売るとかする人じゃないんだ…それは、長年一緒にいた俺がわかってるから…」
ハルは潤の手を振り払い、駆け出していった
それから暫くして、翔ちゃんが葛城と言ってた男と一緒に戻ってきた
雅「翔ちゃん!!」
潤「翔兄さん!!」
翔「雅紀…潤…」
葛「…行くんだ。後の事は俺に任せなさい」
翔「葛城さん…ありがとう…ございます」
俺達は葛城さんにお礼を言って店をでた
翔ちゃんを連れて…