第51章 この命に代えても…(5)
~翔side~
雅紀がいなくなって、今日で三日目…まだ何の連絡もなかった…
智くん達も岡田さんや他の警察の人と一緒に探しているらしいけど、何の手掛かりもないらしい…
俺も探しに行こうとするけど和也に
和『警察が探して見つからないのに、そんな状態の翔兄さんがフラフラ出ていって見つかる訳ないでしょ!!迷惑だからおとなしくしてて下さい!!』
…って言われてしまった…あいつ言ってることは的を得ているけど、キツいんだよな…
そんな中、雅紀の部屋から一通の手紙が出てきたと智くんから聞いた
手紙の内容は、自分の不注意で俺達を巻き込んでしまった事への謝罪と、自分が責任をもってケリをつけると言った内容だった…
雅紀…何処に行ったんだよ…
…会いたい…雅紀…
俺は雅紀の事を考えながらウトウトとしていたら、入り口のドアが開く音がした
ー看護師さんかな…ー
うっすらと眼を開けると、白衣を着た男の人が立っていた
ーああ…先生か…でも、初めて見る顔だな…ー
そんな事をボンヤリ思っていたら突然…
翔「痛っ!」
俺の左腕に刺さっていた点滴を引き抜いた
翔「いきなり何を…!?」
あまりの事に眼が覚めた俺は抗議の声をあげた
すると
翔「ふ!?うぐっ!」
突然口許にハンカチを押し当てられた
ー薬品の臭いがする!ヤバイ…ー
俺の意識はそこで途絶えた…