第49章 この命に代えても…(3)
~雅紀side~
病室に翔ちゃんが運ばれて暫く外で待たされたけど、家族だけが入室を許可された
その後(岡田くんは捜査に戻った)智兄達も入ってきた
和「…翔兄さん…酷い顔色ですね…」
智「それだけ出血量が酷かったんだろ…麻酔いつ頃切れるって?」
潤「明け方までは大丈夫みたい」
智「雅紀…だそうだから、暫く休んでろ。俺達が交代で見てるから」
智兄の言葉に俺は首を振った
和「翔兄さんに何かあったら起こしますよ」
雅「…翔ちゃんの側にいる」
俺は翔ちゃんの側を離れるつもりはなかった
智「解ったよ。お前も和也も、こういう時の頑固な所は昔から変わらないな」
潤「和も?」
智「そ、潤が事故にあったときも、今の雅紀みたいに側にいるって言って動かなかったんだよ」
和「さ、智兄さん!!」
潤「え?そ、そうなの?」
和と潤はお互い赤くなって照れていた
雅「…うん…そうだね。俺も和と一緒だ…翔ちゃんの意識が戻った時、一番にお礼と謝罪がしたい…」
翔ちゃん…早く眼を覚ましてよ…早く俺の事安心させてよ…
俺はそう思いながら翔ちゃんの手を握っていた
それから何時間経過したのか解らないけど、突然俺の手の中にある翔ちゃんの手が微かに動いた
雅「翔ちゃん!?」
俺の声に皆が気づき、ベットに近づいてきた
潤「翔兄さん!」
雅「翔ちゃん!翔ちゃん!!」
俺はひたすら翔ちゃんの名前を呼び続けた…すると…
翔「…う…ん…」
雅「翔ちゃん!!」
翔ちゃんが眼を覚ました!
智「翔くん大丈夫か!?」
翔「…ま…さき…みん…な…」
雅「翔ちゃん…良かった…翔ちゃん…」
すると翔ちゃんは、以前首を絞められた時と同じように俺の顔に手を当てて
翔「ご…めん…」
苦しそうな息のなか、そう言いながら俺の涙を拭ってくれた