第33章 偽装親子(6)
~和也side~
<ガタン>
和「やめっ…はなせっ!!」
応接間で一人待っていた時、いきなり口を押さえられて連れてこられた
ここは地下室…?
和「やめて下さい…新さん!!」
新「アイツの兄貴には逃げられたけど、もう一人上玉がいたとはな…」
やだっ…怖い…潤くん!
和「誰か!潤くん!!」
新「言っとくが騒いだって無駄だぜ。この部屋は屋敷の人間でも一部の者しか知らないんだ。あんたの連れも気づかないさ」
俺は必死で逃げようと近くにあった本を投げつけた
新「痛っ…このっ、おとなしくしろ!香住みたいになりたいか!」
・・・え?香住みたいに…って?
和「…どういう事…ですか?」
新「あの日、香住が珍しく一人で出掛けたから後をつけてT県に行って、巧いこと車に乗せることが出来たから俺のものにしてやろうと思ったが、アイツ騒ぎ出しやがったから首を絞めたら動かなくなったのさ」
じゃあ…もしかして香住さんは…そんな…
新「何だ?泣いてんのか?へぇ…良い顔するな…気に入ったぜ」
そう言いながら新さんは俺の顔を舐めながら、上着の中に手を入れてきた
潤くん…潤くん!!
ーバーーーン!!ー
和「和ー!!」
・・・潤…くん…?
潤「!?この野郎!!」
新「うぐっ!!」
潤くんは新さんに向かって殴りかかった
潤「和、大丈夫か!?」
和「潤…くん…潤くん…」
潤くんは、俺の震える身体を抱き締めてくれた
新「な…何故ここが解ったんだ…」
幹「俺だよ」
新「み、幹矢!?」
どうして幹矢さんがここに?