第24章 本当の家族(4)
~智side~
翔くんを見舞って、そのまま同じ病院内にいるかえでさんの病室に行った
さくらをかえでさんの病室で留守番をさせていたから、迎えに行くためだ
<コンコン>
か「…はい」
智「こんちはー…お?」
病室に入ると、さくらがベット横の椅子に腰掛けたまま、泣いている様に見えた
智「どうした?さくら…母ちゃんに怒られたか?」
俺が声をかけると、さくらは眼に涙をためて
さ「パパ…パパはさくらのパパじゃないの?」
智「え…?」
か「…すべて話しました…これ以上、皆さまにご迷惑おかけできませんので…」
智「…そっか…」
さくら…それで泣いてたのか…
智「さくら…俺はお前の父ちゃんじゃないけど、さくらの本当の父ちゃんは…」
さ「やだ!さくらのパパはパパだもん!本当のパパなんていらない!!」
か「さくら!?」
さ「パパーーー!!」
さくらは泣きながら俺に抱きついてきた
智「…さくら、ありがとうな。嬉しいけど、やっぱ俺はお前の父ちゃんじゃないからな」
さ「どうして?どうしてパパはさくらのパパじゃないの?」
俺はさくらの前にしゃがんで
智「さくら…さくらの母ちゃんは誰だ?」
さ「…ママ」
智「じゃあ、翔くんはさくらの母ちゃん?」
さ「翔ママは…ママじゃない…」
智「うん、俺も同じなんだよ。さくらの父ちゃんはたった一人、本当の父ちゃんだけなんだよ」
さ「…やだ…やだよーーー!!」
事実を受け入れられないさくらは、ずっと泣き続けていた…