第17章 パパと呼ばないで!?(4)
翔「え?今日も店休むのか?」
潤「うん、智兄さんと雅紀兄さんは今日無理だし、翔兄さんも看病でほとんど寝てないでしょ?そうなると俺一人じゃ無理だからね」
翔「俺なら大丈夫…」
翔ちゃんの言葉を遮って和が小声で…
和「私が潤くんにそうしようと言ったんですよ。こうでも言わないと潤くん休みませんからね。その内倒れますよ、あの人は」
…確かに最近の潤はあまり顔色が良くないし、オープン当日と比べると痩せたもんな…
翔「…そうだな…ありがとな和也」
和「どういたしまして。では、私はそろそろいきますね」
翔「うん、いってらっしゃい」
智「頑張れよー」
和を見送って潤の作ってくれた朝食を皆で食べ、俺と智兄はさくらちゃんの様子を見に行った
雅「呼吸も楽そうだし、良かったね」
智「うん」
さ「…パパ…」
智「あ、さくら起きたか?大丈夫か?」
さ「ねぇパパ、ママは?」
智「え?」
さくらちゃん…何でいきなりママって…
さ「さくらお熱がでて苦しかったんだけど、ずっとママがいたの。ねぇママ帰ってきたんでしょ?」
智「あ、いや…」
雅「…さくらちゃん…ママはまだ帰ってないよ」
さ「え?でも、ずっとさくらの手を握って頭撫でてくれてたよ。『大丈夫だよ』って…『一人にしないよ』って言ってたよ」
手を握って…ってそれって…
智「それはママじゃなくて翔お兄ちゃんだよ、さくら」
さ「え?翔お兄ちゃん…?」
智「そう。さくらが手を握って離れなかったからずっとそばにいてくれてたんだよ」
さくらちゃんはずっとママだと思っていたのが、翔ちゃんだったと知り少し動揺していた様だったけど…
さ「…翔お兄ちゃん…ママみたいであったかかった…」
智「うん、そうだね」
それほど嫌がっている感じはなかった…
この翌日からさくらちゃんは何時もの元気なさくらちゃんに戻った…ただひとつ違うのは…
さ「翔ママー絵本読んでー」
翔「絵本?良いよ」
翔ちゃんの事を『翔ママ』と呼んで甘えるようになった…
だからと言って智兄と夫婦って訳じゃないからな!!