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黒執事:短編

第1章 セバスチャン夢:短編


「名無しさん。外出しますから、上着を持って玄関にお願いします」
『はい!』

買い出しキター!
普段は屋敷の敷地内に居るから町に行けるのが楽しみで、私は急いで部屋に行き上着を羽織った。

玄関に着くともうセバスチャンさんが居た。
ハットを被り、コートを着た姿に胸が高鳴る。
はぁ…告白しなくなったけど、私はやっぱりセバスチャンさんが好きなんだと自覚した。

外に出ると、門に見慣れない人影があった。
セバスチャンさんを見上げると、怪訝そうな顔をしたけど、行きましょうと促された。

「あ、あのっ!!////////」

門を出たところで、青年に声を掛けられた。

「これっ、読んでくださいっ!!////////」
『私に?』

差し出されたのは、1通の手紙。
それは私の目の前につき出されていてるところからして、たぶん私宛てなんだろう。

『は、はい…ありがとうございます。』
「失礼しますっ!/////////」

手紙を受け取ると彼は勢いよくお辞儀をして、走って行ってしまった。
……なんだったんだろうか?
封を開け、手紙にさーっと目を通してみる。
ん?一目惚れ…しました。
一目惚れ…

『一目惚れぇっ?!////////』

思わず叫んでしまったが、叫ばずにはいられない!!//////
だ、だってこれって所謂……

「ラブレターですね」
『わきゃぁっ!?///////』
「呆れますね、全く」

見上げたセバスチャンさんは本当に呆れ顔。
って言うか…

『勝手に手紙を見ないでください!!って、あっ!』

私が言うのも聞かず、私から手紙を奪うとあっと言う間に、ビリビリと引きちぎった。
目の前を舞う紙吹雪。

『セバスチャンさん!?』
「貴女にラブレターは必要ありません」
『え?どう言う事ですか?』

ニヤリと笑うセバスチャンさんに、私は疑問しか思い浮かばない。

「貴女に恋をするのも、貴女が恋をするのも私だけで十分です」
『…え…あの…っ!?』

口を開いた私の目の前にはセバスチャンさんの綺麗な顔。
そして、唇に触れる柔らかな感触。

「これで分かりましたか?」
『は、はい!/////////』
「では、行きますよ」
『セバスチャンさん、大好きです!!』
「ありがとうございます」

相変わらずの返事。
でも、本心を知った日なのですっ♪

End

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