第1章 セバスチャン夢:短編
[本心]
『セバスチャンさん!』
「はい、何でしょうか?」
『好きです!!』
「ありがとうございます。」
『す・き・な・ん・で・す!!』
「えぇ、分かってますよ。」
………駄目だ。
毎日、私はセバスチャンさんに愛を告白します。
でも、いつも笑顔で軽く流されてしまう。
今日も今日とて、反応は変わらず…。
諦めてキッチンを出て、2階の廊下の掃除に取り掛かる。
毎日同じ…。
セバスチャンさんは、私に興味無いんだろうな。
うん…そうじゃなきゃ、あんな反応はしないと思う。
セバスチャンさんに気に入られたくて、仕事はミスしないよう心がけてるし、遅刻もしないし、怒られるよりもむしろ、褒められる方が多い!…でも、駄目だ。
『もう…諦めようかな…。』
「何をですか?」
『ギャァッ!!!』
急に背後から声が聞こえ、ビックリして振り返れば、呆れ顔のセバスチャンさんが立ってた。
「もっと女の子らしい声を出せないんですか?」
『すすすすすみません!』
「ここの後は、洗濯をお願いします」
『はい…!』
事を言うとセバスチャンさんはさっさと行ってしまった。
あ~心折れたわ~。
しつこい女は嫌われるって言うし…。