第4章 紳士な怪盗
「君の両親には話してあるよ?もちろん、許可も貰った」
キョトンとする私にエドガーは更に続ける。
「俺の両親にも了承は得てるよ。それに…」
当てられた人指し指の代わりに、エドガーの唇が触れた。
ほんの一瞬の口づけ。
離れた唇は、そのまま耳元に寄せられ…
「君が拒否しても、連れていくよ?俺は、名無し…君を拐いにきたんだ」
『エドガー……//////』
甘く囁かれて、私の思考は再び停止した。
「愛してるよ、名無し。一生、君を離したりしない、マイ・プリンセス」
『エドガー!大好きよっ!』
周りの目を気にせず、どちらともなく唇を寄せた。
それは、私の胸が今日一番高鳴った瞬間。
素敵な怪盗に拐われた瞬間だった。
End
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