第6章 não deixe
「痛い!離せ潤!」
ドカドカと俺を引っ張りながら中に入る潤から手を振り解く。
「何なんだよ!」
潤「………何なんだよじゃねぇよ。外でイチャつきやがって…誰かに見られたらどうすんだよ」
ゆっくりと潤がこちらを振り向いた。
「それは…悪い。でも…智くんにあんな態度…」
潤「あんな態度?じゃあどんな態度取れって言うんだよ」
「俺のもんって…何だよ。俺は潤のものじゃない」
潤「………」
「それに…智くんから聞いた。お前…智くんからの電話に出たって…何で勝手にそんな事…」
潤「………どっちがよかった?」
「………は?」
潤「俺と…あいつと…どっちのセックスが良かったか聞いてんだよ」
「潤!」
パァン!と頬を叩く音が心地いい位に響いた。
潤「………あんたを捨てたんだぞ。最低なやり方で。あんた…泣いてたじゃないか」
何故か潤は…泣きそうな顔で俺を見てた。
「………分かってる。でも…離れられないんだよ…」
潤「………そうかよ。勝手にしろ」
そのまま潤は自分の部屋へと戻ってしまった。
「潤…」
俺は…そのまま床にへたりこんでしまった。