【HQ】脳内妄想‐sharing.・繋がる縁の円‐【R18】
第2章 狼さんに食べられた(黒尾鉄朗/sharing.)
また暫くして、やっとナカから自身が引き抜かれる。
それでも、抱き締めた体は離してはくれない。
余韻が少しずつ覚めて、冷静さが戻ってきた。
「…黒尾さん。」
「ん?何だ?」
「…次は、ベッドでお願いします。」
思考を始めた頭の中は、着衣も、テーブルの上も2度とシたくないという事ばかり。
汗だか、唾液だか分からない液体で服もテーブルも汚れるから。
だけど、黒尾さんは眉を寄せた。
そんなに着衣が好きなのか、と呆れる。
「…お前、さ。裸の男に、上からヤられて平気かよ?」
静かに、耳の奥に声が届いた。
もしかして、少しアブノーマルな感じがする事をしたのは、私の為だったのだろうか。
無理矢理、男に身体を使われる経験しかした事がない私が裸とか上に乗られる事とかを嫌がると思って。
無用な、気遣いである。
だって、黒尾さんは優しいと知っている。
それに、自分が惚れた男を怖がってどうする。
大丈夫だと分かって貰いたくて、強く抱き締め返した。
「黒尾さんとなら、平気です。だから、また…。」
抱いて下さい、と言おうとした唇。
最後まで音を出しきる前に、唇で塞がれる。
「次は、ベッドの上で。生まれたままの姿で愛し合おうぜ?」
すぐに離れた黒尾さんの唇から、私の望みを叶えてくれる言葉が聞こえた。