第11章 〜11〜
(もう眠くなってきた……布団入りたい……)
そう考えて黙りこくった時、後ろから優鞠の声が聞こえた。
「様、夜も更けてまいりましたので、そろそろお部屋へ戻りましょう。」
「うん……戻る……」
「様、大丈夫ですか?」
「大丈夫……眠たくなってるだけだから……」
そう言うと私は武将達に向いた。
「今日は楽しかったです……お先に失礼します……おやすみなさい」
武将達は酔っ払いながらもまだ飲み続けるようで、明らかに眠そうな私におやすみとそれぞれに返してくれた。
それを聞き、優鞠に支えられながら広間を後にしようとした。
その時、ふわっと浮遊感を感じ目が覚めた。
「……え……?」
「フラフラして危なっかしい。部屋まで送る」
「大丈夫だよ……」
「様、有難くじっとしていて下さい」
「優鞠の言う通りだ。大人しくしてろ」
「う……はい……」
政宗に横抱きにされ、すっかり目が覚めた。
周りの武将や家臣達の目が気になったが、やはり眠気には勝てずどうでも良くなり、大人しく言う事を聞いておくことにした。
「じゃあな」
政宗はそう言うと、颯爽と広間を後にした。
残された家臣達はそれぞれの反応を見せた。
「政宗が女に構うなんて珍しい事もあるものだな」
「政宗様は様と仲が良くて微笑ましいですね」
「政宗の奴も隅におけないなぁ」
「……そうですね」
家康は宴に戻ってきてからも何処か考え詰めた顔をしていた。
それに気づいた秀吉が問う。
「家康、どうした?宴の最中に考え事か?」
「……秀吉さん。に付いてる女中の話なんですが」
家康は周りの武将が話し込んでいるのを確認しながら秀吉に小声で聞いた。