第47章 ~47~
今日は特に急ぐ仕事もなく、軍議の予定もなく久々に休みになった。
暫く顔を出してなかったと思い立って、久々に城下に行こうと城を出て、とりあえず市へと向かった。
(あいつらに文は返したけど、特に今日は誰とも約束してないんだよな)
戦や本能寺に出掛けていて、城に戻った時に届いていた女達の文の内容を思い出す。
皆、俺が忙しいと分かってくれているからか、時間があれば会いましょうという不確かな約束しかしていない。
(まあ、誰かしらに会ったらそいつと過ごすか……)
市に着いて、立ち並ぶ店の人間に挨拶して回ろうかと声をかけようとすると、どこから湧いて出たのかあっという間に顔馴染みの女達に囲まれた。