第44章 〜44〜番外編③
秀吉さん達が帰ったあと、私達は解散する事になった。
本当なら政宗の御殿に残りたかったが、秀吉さんが帰り際に「もう遅いから、早く部屋に帰れ」と釘を刺された事もあり、大人しく今日は帰ることにした。
片付けを終わらせ、部屋まで送ってくれるという政宗と御殿を後にして、それぞれの部屋の別れ道で家康と優鞠と別れて部屋へと戻る。
「まったく……秀吉のやつ」
「………大丈夫?秀吉さんのげんこつ痛そう……」
「あいつ説教のときは容赦しないからな」
「……なんか色々ごめん」
「お前のせいじゃない。大丈夫だ」
「うん……」
部屋の前について、もうお別れだと思うと急激に寂しくなって、政宗の袖を掴んだ。
「ん?なんだ、寂しいのか?」
「……うん。一昨日の夜からからずっと一緒に居たから……なんか別れるの寂しくなっちゃった……」
「別に、寝て起きたらすぐまた会えるだろ」
「分かってるけど……楽しかったんだもん……」
私ははそう言って政宗に抱きついた。
「政宗……ありがとう……この3日間色々あったけど……楽しかった……」
「ああ、俺もだ」
「うん……」
最後にぎゅっと力を込めて抱き締めてから身体を離そうとすると、背中に回っていた腕に強く抱き締められた。
「……また、明日な」
「うん、おやすみ……」
今度こそ最後だと身体を離すと顎を持ち上げられて唇を掠め取られた。
「じゃあな」
最後に私の頭を撫でて微笑むと、政宗は歩き去っていった。
その姿を見送って部屋へと戻る。