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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第40章 〜40〜






御殿が近づく度に、私の緊張も増していく。
決心は付けたつもりだが、恐怖ではなく緊張に押し潰されそうだった。



(…………別に初めてでもないくせに……初めての時より緊張する……)


御殿について、部屋へと上がる。


「お邪魔します……」

「おう、座れ」


(二回目だな……政宗の御殿……)


私が促されて座ろうとした時、何かに体当たりされて後ろへと倒れ込んだ。


「わっ……(何……)」


驚いてい顔を上げると、胸の上に小さな猫のような動物が乗っていた。


(……猫……?にしては……)


私が呆然としていると、政宗がその動物の首根っこを捕まえて持ち上げた。


「こら、照月」

「……?」

「ああ、こいつは俺が飼ってる虎だ」

「虎?嘘でしょ……」

「嘘じゃねぇ」


政宗は空いた腕て私を起き上がらせながら言った。


(虎って……飼える物なの……)


未だ呆然としている私の腕の中に政宗は虎を優しく置いた。

「ほら、照月。ちゃんと挨拶しろ」

「…………可愛い……」

「まだ子供だからな」


私がそっと頭を撫でると、嬉しそうに擦り寄ってくる。
猫みたいだけど、よく見てみたら模様は虎柄だ。


「んにゃー」

「…………かわいい……」


動物と触れ合ったことなんてほとんどない。
それも虎なんて初めてだ。
でもまだ子供だから触れても怖くない。
むしろ愛らしすぎるくらいだった。


「……可愛いね、この子……」

「だろ?お前もたまに遊んでやってくれ」

「うん……!」


(大きくなったらどう怖いけど……それまでは可愛がりたい……)


近くにあった手毬を投げると、楽しそうにじゃれている。
その姿を微笑ましく見ていると不意に視線を感じた。






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