第39章 〜39~
「……」
「ん?」
「大丈夫?」
優鞠は不安そうな顔で私の言葉を顔を覗く。
「うん。なんか思ってたほど……すっきりした。かな。」
「そっか。」
「うん。」
暫くそうしていると、火は収まっていき、やがて消えて炭だけになった。
「終わったな」
「うん……2人ともありがとう」
「どういたしまして」
「よし……戻ろっか」
「あぁ」
お礼を言って、部屋へ戻るために城へと入る。
(なんか……ほんとにすっきりしたなぁ……)
先を歩く2人の背中を見つめながらぼーっと考える。
荷物を燃やした事で予想していた以上に心が晴れた事に自分自身驚いていた。
(本当は何も変わらないかもって思ってたけど……燃やす意味……ちゃんとあったな……)
私がそう思って、妙な達成感を感じていると、2人が立ち止まった。
(……ん?)
顔を上げると、2人の奥に家康がいるのが見えた。
「なにしてるの」
「ああ、ちょっとな。」
「……うん。」
「……なにそれ」
家康は2人の後ろに私がいることに気がついたのか、小さく溜息を付いた。
「……別になんでもいいけど」
そういうと優鞠の手を取って歩き出す。
「……借りてくから」
「ああ。」
「ふふ、優鞠ありがとね」
「あ、うん……家康……ちょっと」
優鞠は家康に手を引かれて行ってしまった。
「あいつも心がちいせぇな」
「ふふ。それだけ大事に思ってるってことでしょ?」
想いが通じあった2人は、纏う空気も違って見えて、お似合いだなと素直に思った。
「さてと……この後、俺の御殿に来るか?」
「え…………」
私が思わず黙ると、政宗は真面目な顔で私を見つめる見つめている。
(……なんだ……全部お見通しだったのかな……)
「うん……。行く。」
「よし」
政宗は私の手を取ると、御殿へと歩き始めた。
もう怖いとか不安な気持ちは何処かに消えていた。
きっと私はもう大丈夫だと、そう感じながら素直に手を引かれて歩いた。