第39章 〜39~
2人に付いて歩いて辿り着いたのは城の裏側。
まだ私が来た事のない場所だった。
私がきょろきょろとしていると、ゴミを燃やす支度をしている人が話しかけてきた。
「政宗様。どうなさいました?」
「ああ、こいつの付き添いだ」
「……おや、これは姫様」
「姫……(そうか、お城の人でも私の事姫ってなってるんだ……)」
その人は私を物珍しげに見る。
姫と呼ばれた事に戸惑っていると、その人は優しい顔で微笑んだ。
「姫様がこのような所へ……いかがなさいましたか?」
「はい……。あの、ごみを燃やしてるって聞いて……一緒に燃やしてほしい物があって……」
「ほう……どうぞ、こちらへ」
「はい……」
案内された方へ行くと、枯葉の山があって、その隣に少しだけゴミが置いてあった。
「さぁ、火をつけますので、どうぞ」
「はい……」
最後に私は鞄を開いて、中の物を見る。
この時代に来てからは使ってはいなかったが、どれも気に入って買ったものだ。
(今までありがとう……。)
そんな思いを込めて、最後に鞄をぎゅっと抱きしめた。
(……もう未来には帰らない。私はこの時代で皆と生きていく。)
「よし」
私は気を引き締めると、枯葉の山の上に荷物を置いた。
「お願いします」
「はい。危ないので離れていてくださいね」
火が枯葉にくべられ、ぱちぱちと音を立てながら火が大きくなっていく。
私はそここら離れて、政宗と優鞠の元へと行く。
隣に立つと、政宗が手を繋いでくれた。
(……ケジメつけるから……)
私は政宗を見て小さく頷いた。
じわじわと枯葉が燃え上がり、鞄が見えなくなるほど火が大きくなった。