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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第30章 〜30〜







暫くして、秀吉さんの足が止まる。


「ここだ」

「へぇ……(秀吉さんの御殿もだけど、ここも大きいな……)」



私がぼーっと御殿を眺めていると、秀吉さんは家臣の人に話しかけていて、扉の向こうで私を呼んだ。


「おい、早く来い」

「あ、うん」


秀吉さんに続いて中に入ると、光秀さんが読んでいた書をたたんでいた。



「おや、俺はお前だけを呼んだつもりだったが?」


光秀さんがうっすら笑いながら私を見て言った。


(怒って……る?)


私が不安に感じた瞬間、秀吉さんが言った。


「俺が勝手に付いてくって言ったんだ。」

「ほう……お前の世話好きは最早病気のようだな」

「いいだろ。基本的には邪魔はしない」

「基本的、にはな」

「お前がに変なことを言わないか見張りに来ただけだ」

「ふ、秀吉はの保護者のようだな」

「俺はの兄貴だからな」

「兄貴?」


光秀さんが目を見開いて私を見る。


「あ、そうなんです。私小さい頃に兄を無くしてて……だから……」

「兄替わり、ということか」

「そうだ。」

「ふ、そうか。」


光秀さんは納得したように笑った。


「まあ、とりあえず掛けろ」


促されて座ると、家臣の人がお茶を出してくれた。
お礼を言って1口飲む。


(うーん、やっぱりこの2人……家康と三成くんと比にならないくらい仲悪い……?)


私がそーっと秀吉さんを盗み見ると、私たちから少し離れた場所に座り、睨むような目つきで光秀さんを見ている。
対して、光秀さんは秀吉さんの事なんて気にしてないかのようにゆったりとした動作でお茶を飲んでいる。


(うーん、気まずい……)


私はまたお茶を一口飲んで、光秀さんが言葉を発するのを待った。





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