第27章 〜27〜
呆気に取られながら家康との会話を思い出していた。
(友達より……家康と恋仲になった方が絶対周りの目はうるさいよね……
でも……もし私が家康の事を好きになったとして……一緒に家康の城に行くとしたら……
立場なんて……関係ないのかな……ほんとに好きなら……)
家康は気になるなら、人目のつく所では触れないと言ってくれた。
でも、それは周りの人たちを騙してる事になる気がして気が進まないのも事実だった。
今までなら、両方を避ける道を選ぼうとしていた。
でも、家康に気持ちを真っ直ぐに伝えられて、逃げる事しか考えてなかった自分が恥ずかしくなった。
(もし……家康を本当に好きになれたら、胸を張っていたい。)
家康に私のせいで嫌な思いをして欲しくない。
まだ家康が好きだと、言い切れはしないが好きになれたら多分凄く幸せなんだろうな、と思った。