第25章 〜25〜
「まぁ、とりあえず座れ」
「あ、うん」
私が腰掛けると、政宗がお茶を入れてくれた。
「あ、ありがとう」
「ほら、これ食えよ」
「ん?これ何?」
「羊羹だ」
「綺麗……」
差し出された羊羹は上は透明、下は淡い桃色をして綺麗なグラデーションで見ているだけで嬉しくなる物だった。
「これ、どうしたの?」
「ん?作った」
「政宗が?お菓子も作れるの……」
「ああ、たまに甘い物食いたくなるからな」
「へぇ……」
一口分切り取って口に入れると、爽やかな甘さと梅のいい香りと酸味が広がった。
「……美味しい……」
「ふ、そりゃよかった」
政宗は嬉しそうに私を見つめる。
「……そんな見つめないでよ」
「美味そうに食ってるお前見てるの、なんかいいなって思ってな」
「……なにそれ」
「すげぇ幸せですって顔」
「だって美味しい物食べれたら幸せじゃない?」
「まあな」
「だから顔に出ちゃうの。政宗だってそういうことあるでしょ?」
「俺はそういうお前を見てると幸せだな」
「……もう。」
「本当の事言っただけだ」
「……照れるからやめて」
「断る」
「……もう。」