第4章 〜4〜
(!!!なんで……)
佐助の顔をぽかんと見つめ、聞きたいことは山ほどあるのに、何一つ言葉にならない。
「服装と鞄と、あと雰囲気?」
「……そう!私……なんで、ここにいるのか……何も分からないの……」
「もしかして今来たばっかりか……」
「そう……」
「詳しく話を聞きたいんだけど、今ちょっと時間が無いんだ。この先川沿いに進むと村がある。そこに行けばとりあえず人はいるから何とかなるよ。あとこれあげるから使ってくれ。」
佐助は懐から小袋を取り出し、私に放り投げた。
「ごめんね、今すぐ助けてあげられなくて。数日したら必ず会いに来るから、それまで村で待ってて欲しい。」
「え、……そんな事言われても……」
「それに今この時代で使われてるお金が入ってる。数日の宿代と食べるのに困らないくらいはあるはずだから」
「え……うん……ありがとう……」
「じゃあ俺、行かなきゃだからまた……」
「ねぇ!最後に一つ聞いていい?なんで私がこの時代の人間じゃないってわかったの?」
一息に質問した。
佐助は馬を走らせながら答えた。
「僕も平成からこの時代に来たんだ。詳しいことはまた後日。じゃあまた」
そう言って佐助は3人が消えた方向へ走って行ってしまった。
「……よくわかんない……どうしよう……これから……」
時間にしてつい数時間前には確かに現代、いや、平成の時代で生きていたはずなのに、ここは平成とはまるで違う世界。
ただ1人呆然と立ち尽くして、途方に暮れるしかなかった。