第22章 〜22〜
「、話してくれてありがとうね」
「ううん。優鞠には隠し事したくないし。優鞠も何かあったらいつでも話してね?」
「うん。何かあれば必ず話すね。」
「あ、そうだ。明日なんだけど」
「明日?」
「ほら、今朝秀吉さんが私の仕事の話してくれたじゃない?」
「あ、うん」
「だから、この城でどんな仕事があるのか見に行きたいの。だから案内して欲しいんだけど……」
「いいよ?でも私は女中の仕事しか案内できないから、その他は秀吉様にお願いした方がいいかも」
「女中以外の仕事って……?」
「うーん、書物の管理とか、武器庫の管理とか……あと庭師とか馬や鷹の世話をしている人もいるし……色々あるよ」
「へぇ……そっか」
「まあ、色々見てみたら?城のことも知れるし一石二鳥じゃない」
「そうだね……じゃあ女中の仕事は案内お願いするね」
「うん。まかせといて」
「頼りにしてる」
「ふふ。じゃあそろそろ寝ましょう。明日は忙しいわよ?」
「うん。今日は歩き回ったし色々あって疲れた……」
「ふふ、ゆっくりおやすみくださいませ」
優鞠は私が寝巻きに着替えるのを手伝うと、部屋を出ていった。
今日の疲れですぐ眠れるかと思いきや、1人になると色々なことが頭を過ぎった。
(今はまだ……戦は起きないみたいだけど……いざ戦が起きて政宗が出陣するってなったら……笑顔で送り出せるかな……)
政宗が簡単に死ぬなんて思わないし思いたくもない。
未来でも銅像が作られるほど有名な武将だったなら、強いはずだ。
でも人間生きていれば何があるかわからない。
そんな人生を今まで生きてきたからか、戦に出かける政宗を平常心で送り出せる自信がなかった。
(絶対帰ってくるって毎回必死に願って不安になるんだろうな……でも戦も政宗も止められないし……私が戦場に行っても無駄死にしそうだし……大人しく待つしかないんだよね……)
戦国時代を生きるなら仕方ない。
この時代で生きていくことを決めたのは誰でもない自分だ。
未来に生きているより、別れは突然に来るかもしれない。
それでも政宗が好きなことに変わりはない。
いつその日が来ても後悔しないように過ごすしかない。
そう決心して眠りについた。