第22章 〜22〜
「あ、優鞠。話す前にこれ。お土産」
私はお菓子屋で買った金平糖の小瓶を出した。
「お土産なんて良いのに……ありがとう……」
「優鞠にはお世話になったし、これからもなるだろうし。まあ、私この時代のお金持ってないから政宗に『働いてお給料貰ったら返す』って言って借りたんだけどね。」
「そこまでして……ありがと。大事に食べるね。」
優鞠は柔らかく微笑んだ。
「喜んでもらえてよかった」
「うん。嬉しい。さ、お茶入れたからどうぞ」
「ありがと」
私がお茶を飲んで一息つくと、優鞠が目を輝かせながら聞いてきた。
「ねぇ、その簪どうしたの?」
「……政宗が買ってくれたの」
私は簪を髪から抜き取って優鞠に見せた。
「良かったじゃない。素敵な簪…」
「うん。大事にしなきゃね」
「で?どちらから言ったの?」
「(絶対楽しんでるな……)政宗……かな?」
「やっぱり……」
「私ね、未来に帰れるとしても、帰らないことにしたの。」
「そうなの?」
「うん。優鞠にも言うつもりだったんだけど、先に政宗に言っちゃった。」
「それは別にいいんだけど……」
「政宗は私がいつか未来に戻ると思ってたみたいで、それなら気持ち伝えても仕方がないって思ってたみたいで……」
「へぇ……じゃあが言わなかったら……」
「うん。こうはなってなかったかもね」
「良かったね、言って」
「ほんと……」
「(まあ、どのみちそうなってたと思うけど……)」
優鞠は微笑みながらそう思った。