第22章 〜22〜
2人手を繋いで城へ帰る途中。
橋を渡り着ればもう城の入口の目の前、という手前で政宗が立ち止まった。
「どうしたの?」
「いや、なんか変な気分だなと思ってな」
「変な気分?」
「ああ、城を出る時はまさかお前と恋仲になって戻ってくるとは思ってなかった」
「そんなの私もだよ?政宗の事はもう好きになってたけど……まさか好きだって言われるとは思わなかったし……」
「ふ、そうだな」
「それに……」
「ん?」
「前の自分だったら、そんな簡単に人の事好きだなんて思うことなかったし……っていうか、本気で人の事好きだとか愛してるとか感じたこと無かったな……と思って」
「じゃあ、俺が初めてか?」
「……そうだね。まだまだお互い知らない事沢山あるけど……政宗の事は知れば知るほど好きになる気がするの」
私がそう言うと、政宗は照れたように顔を背けた。
(可愛いこと言いやがる……)
「俺にそんな事言う女は初めてだ」
「うそ?」
「ああ、女と恋仲になるのは初めてじゃねえが、お互い本気になることなんて無かったからな」
「へぇ……(まあ、そりゃ今まで誰とも付き合った事ないわけないよね……)」
私が少し顔を曇らせると、政宗が私の頭をぐしゃっと撫でた。
「なんだ?妬いてるのか?」
「……別に……私だって男の人と恋仲になった事あるし……」
「ほぉ?」
「(余裕そう……)お互い様でしょ?……でも……ちょっと妬いた。」
私が顔を赤くさせて俯くと政宗に抱きしめられた。
「……!!」
「あんま可愛いこと言うなよ?俺だって我慢の限界ってもんがある」
「う……ごめん……?」
「まあ、お前に妬かれるのも悪くねぇ。」
政宗はそう言うと私に軽く口付けた。
「ん……」
(スキンシップ激しい……嬉しいけど何度もキスされると身が持たない……)
「過去は変えられない。俺は過去に縛られるのは好きじゃない」
「うん。私もそう思う」
「俺は前しか見ない」
「うん……」
確かに過去に縛られてもしょうがない。
政宗と過ごせる今この時を大事に生きようと心に誓った。