第17章 〜17〜
「……え……なんで……」
「ごめんね、急に天井からお邪魔して」
「いや……そんなことより……いや、それもなんだけど……」
私は頭が混乱して、何から聞いていいのか分からなかった。
「俺のこと、覚えてる……かな?」
「……うん。あの、川原で会ったよね……」
「良かった、覚えててくれて。」
「貴方も……未来から来たって……」
「そうなんだ。」
私は聞たいことが次から次へと出て来てひとり焦っていると、男は微笑みながら言った。
「落ち着いて。まずは自己紹介してもいいかな」
「……あ、うん。ごめん。」
「俺は佐助。この時代では猿飛佐助って名乗ってる。君と同じ未来人だ。今から4年程前に戦国時代に飛ばされて、それからある人の元で忍びをやってる。」
「忍び……?」
「ああ、忍者のこと」
「忍者……(……現代人が忍者になれるものなの……)」
「とりあえず、君の名前を聞いてもいいかな」
「私は……」
「さんか、よろしく」
佐助はそういうと、私に握手を求めてきた。
私は未だ心の整理がつかないままにその手を握り返した。