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イケメン戦国〜未来を夢見る〜

第16章 〜16〜







「……帰るの?」

「寂しいのか?添い寝でもしてやろうか」

「……結構です」

「ふ、今はな」


政宗は笑いながら襖の方へ歩き出す。


(今は?って……)



「……政宗、ありがとう」

「何がだ?」

「……なんか……色々。」

「なんだそれ」

「いいから。ありがとう。」

「……ああ。また明日な。昼前には出るぞ」

「うん。支度して待ってるね」

「おう。じゃあおやすみ」

「おやすみ、政宗」



政宗は私がそういうと微笑んで、部屋を出ていった。
私は頬を触られた感触が忘れられず、ひとり頬を触りながら政宗の言葉を思いだしていた。


(この時代に来て良かった……か……。実はもう思ってるかもなぁ。政宗に出会えたし……)


ふと、そう思った自分が恥ずかしくて顔を伏せた。


(……もしかして政宗のこと……いやいや、そんな惚れっぽくないはず……)


急に自分が信じられず首を振って、その感情を振り消そうとする。


(でも……好きになっちゃいけない理由なんて……)


そう思った時、ふっと頭の中に不安が過ぎった。



(元の時代に……急に戻ることになったら……どうしよう……)


むしろ、なぜ今までそれを考えなかったのか。
もし、万が一、政宗と恋人になったとしたら。
そして、急に自分が居なくなったら。
政宗だけじゃない。
優鞠だってせっかく友達になれたのに。
他のみんなだってそうだ。
凄く仲良くなれた訳では無いが、みんな良くしてくれて感謝してる。
私が消えたら少なからず悲しむ人がいる。


急に心に現れた不安に、どうしようもなく怖くなった。
でも、無意識に飛ばされたのだから、戻ることになったら対処出来るのだろうか。
それよりも、この時代から戻ることが怖いだなんて。
普通戻りたいと思うことが自然じゃないのかと。
この時代にずっと居たい。そう考えている自分に驚いて笑ってしまった。


(もし、帰るのか留まるのか選択できるなら……私は……)



1人考えを馳せていると、頭上から物音がした。


「え?」


カタン……という音と共に、気づくと目の前に見た事のある男が居た。






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