第7章 告白大作戦!
‐かおるside‐
赤葦に告白されてから、彼を意識している自覚はある。
本当に1人でも店に来てくれるようになったし、りらちゃんより私と話をしてくれるし。
木兎は、良くも悪くも平等というか…。
近くにいる方と話すから。
見せかけだけでも、私を優先しようとする気持ちが嬉しい。
赤葦の1番好きな人はりらちゃんっていうのは分かってるのに。
赤葦と付き合うなら、お互いに別の人を想っている事が条件なのに。
この、嬉しく思う気持ちが膨らんでいきそうで、怖い。
そうやって、もやもやした気持ちを抱えながら、毎日の仕事をこなしていた。
そして、本日も赤葦は1人で来店して。
「…かおるさん。今度、旅行にでも行きませんか?」
「…は?え?」
「知り合いが、ホテル関係の仕事をしてまして。ペアで招待されたんです。」
突然の、お誘いを受けた。
「…いや、りらちゃん誘いなよ。」
「りらには、木葉さんがいるでしょう。」
「じゃあ、招待チケットあげたら?」
「それだけは、絶対に嫌です。」
断りを含めて、違う人に回すように言ってみたけど無駄で。
押し切られて、赤葦と2人での旅行が決まってしまった。