第23章 期間限定sharing.
3月下旬、店と家の改築が済んだ木兎さんとかおるさんが出ていく日が決まり、引っ越しが着々と進んでいく。
人が減るなら、物も減る。
それは、やはり淋しい事だ。
私のそんな気持ちに気付いたか、
ただ自分がやりたいだけなのか、
どちらかは分からないけど、木兎さんが自分達の送別会を提案してきた。
引っ越しで忙しい上、送られる立場のかおるさんに手伝いを頼める筈はなく。
かと言って、流石に1人で準備が出来る訳もなく。
秋紀に手伝って貰おうと思って電話をしようとした。
…けど、スマホに表示された画面を見て、指先が止まる。
最終の着信履歴が、1ヶ月程前だったのだ。
更に履歴を遡る。
連絡が途切れてしまった日までは、数日置き…大体2〜3日に1回は着信の履歴があった。
付き合い初めてから、会う頻度も、連絡の頻度も高かった私達。
こんなに長く連絡を取らないなんて事、特別な事情が無ければ有り得ない。
秋紀に、何かあった?
嫌な予感がする。
そして、私の嫌な予感は大体当たる。
病気か、怪我か。
連絡が来てないというのは、どちらにしても大事に違いない。
すぐに確認しようと、秋紀の家に急いで向かった。