第19章 たまには女子だけで
‐木葉side‐
ただ一人、何も言わずに俺を眺めるだけにしている黒尾。
コイツが一番、グサッとくる事を言い出しそうで警戒してたが…。
「センパイ、言い過ぎ。いくらなんでも、りらの結婚にまで口出しすんなよ。親じゃねぇんだから。
木兎も、かおるさんもだ。自分等も纏まってねぇクセに、ちゃんと芯を持って決めた木葉を責めんな。
大体、りらが外野で騒ぎ立てて喜ぶような女かよ?」
意外な事に、黒尾は俺を庇った。
周りも納得したのか、黙り込んでしまう。
「…あ、いや、俺が悪いのは分かってんだよ。アイツに苦労させたくねぇって自己完結して、待たせてるには違いねぇし。」
気まずくなった空間を払うようにフォローはしてみたものの…。
「木葉は悪くねぇよ。こればっかは、周りが口出す事じゃねえのに騒ぐ奴等が悪いだろ。」
黒尾が3人を許す事は無く。
「人様の恋愛に口挟むような酔っ払いは早く寝ちまえ。」
さっさと3人をリビングから追い払ってしまった。
普段ならギャアギャア言い返しそうな奴等なのに、ガチトーンでキレてる黒尾には敵わないらしい。
3人が居なくなったのを見計らって、深い息を吐いた黒尾の眼が、しっかりと俺を捕えた。