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Volleyball Boys 2《ハイキュー!!》

第9章 ☆アルコールぱにっく:山口




澤村は山口に後ろから駆け寄り羽交い締めにする。キスを邪魔された山口は暴れ、それを菅原と田中と3人がかりで止める。

そして山口から解放された天草。くたっと倒れたままの姿に、1年の影山と日向に月島が慌てて駆け寄った。


「天草さんっ、だいじょ…っ///」

「おい、しっかりし、ろ……///」

「天草、って、うわ……///」


天草を見て、3人とも顔を真っ赤にして言葉を詰まらせる。髪が乱れ両目は潤んでおり、頬は薄く紅潮し、小さく開いた口ではぁはぁと荒い息をしている。

こう、まどろっこしい言い方をせず、簡潔に言い換えると、エロいのだ。バレー馬鹿ではあるが、3人とも健全な男子高校生。天草の姿にごくりと喉を鳴らし、珍しく月島までもがエロいと思う。

その赤面する3人の間に清水と谷地が入る。谷地が天草を起こしている間に、清水は3人にこう言った。


「私たちが介抱するから山口をお願い」


その口調は冷たく、軽蔑しているようにもとれた。勘のいい清水のことだから、もしかしたら3人の反応に気付いたのかもしれない。

助け起こされた天草は、谷地から受け取ったお茶を飲み、一息吐く。きょろりと見渡して見付けた山口は、澤村に羽交い締めにされたまま、すーすーと寝ていた。



その後、目を覚ました山口は何も覚えていなかった。


「そばかす君、いいもの見せてあげるよ」

「音駒の主将……って、うわあぁっ!?」


ニヤニヤしながらスマホを差し出した黒尾。その画面を見て、山口は絶叫した。それもそのはず、天草を押し倒した自分は、あろうことかキスまでしてるのだから。


「ごごごごごごめんなさい!!!」

『ううん、気にしてないよ』

「ほんっと、ごめんっ!」


腰を折り、頭を下げる山口に、天草は苦笑した。今更過去は変わるわけでもなし、と割り切っているようだ。


『びっくりしたけど嬉しかったよ。山口君が私のこと大好きなんだって分かったしね』

「天草さん……///」


にこりと笑う天草に、ポポッと赤くなる山口。色々あったにせよ、この2人がますますラブラブになったなら、それはそれでよかったのかな、と思う野次馬達なのであった。




The End.
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